今回は将来のために不動産投資を行ったものの、残念ながら事前の想定とは違ってしまった投資家にお話を聞きました。
加瀬晃さん 31歳
神奈川県在住、一人暮らしの独身男性。
27歳の時に街で不動産会社の営業マンと名刺交換に応じたことがきっかけ。
当時の年収が350万円であったが、担当者に投資ができると言われ資産形成のために始める。
3年間は持ったが、月々の返済に耐えれなくなり物件を手放す。現在は残ってしまった不動産ローンを返済している。
大変な状況の中、出演頂きありがとうございます。どうして出演を承諾頂いたのでしょうか。
情けなく恥ずかしい話ですが、自分の無知さが招いた結果です。ただ、こんな自分の経験を伝えることで、間接的にでも自分が他の人に役に立つこともあるのではないかと思い出演します。
ありがとうございます。かなり勇気のいる行動だと思います。当協会としてもそのように善意で行動してくださる方がいる以上、あくまで正しい情報発信をしていきたいと身が引き締まる思いです。
それでは、インタビューを進めていきたいと思います。差し支えのないところでお話頂ければと思います。不動産投資を始められたきっかけを教えてください。
始めたのは27歳の時でした。仕事で外回りをしていたときに、駅で名刺交換ということで不動産会社の方から挨拶されました。
後日情報交換ということでお会いしてお話させて頂きましたが、不動産投資ということを当時はよくわかっていませんでした。
でも、自分でも不動産を購入できるということ、それが資産をつくることになること、そして今から始めていったら物件をどんどん増やしていって、将来的には家賃収入だけでも数千万円目指せること、などのお話に憧れが強くなり、舞い上がってしまったというのが正直なところです。給料が低いということもあり、将来も不安で、今思えば本当無知だったと思います。
給料が低かった、とのことですが、具体的にはどのくらいでしたか?
350万円くらいでした。
よく飲みなんかにも行ってて貯金もなかったですが、月に3万円くらいなら取り敢えず大丈夫だろう、と思っていました。
月に3万円となると、大変失礼ながら給料から考えても収支バランスがかなり厳しかったのではないかと思ってしまいます。続けていくことに不安はなかったですか?
最低限の貯金と思ってやりました。給料も少しずつ上がっていくだろうし大丈夫だろうと思っていました。
そうだったのですね。しかし3万円の支出となると金利等でも不利があったのかもしれませんね。具体的にはどのくらいであったか覚えていらっしゃいますか?
確か3%~4%だったと思います。
3%を超えていたのですね。ローン年数、物件価格等もありますので一概には言えませんが、3万円となるとワンルーム投資の支出としては結構なご負担だったのではないかと思います。
当協会としては、正しい取り組みということで、資金調達時の金利を1つのポイントとして考えており、1から2%前半を推奨させていただいております。金利の部分で疑いはありませんでしたか?
他の不動産投資の例を知らなかったので、そういうものだと思っていました。
年収300万円でも不動産投資をできると言われましたので、それであればということで金利ということには目が向きませんでした。銀行によって同じ物件でも金利が違うということを、私は後から知りました。そして、収入が低い段階ではやってはいけなかったのだということを後から身に染みて痛感しました。
そうだったのですね。
今は物件を手放されたということを伺っております。今の状況を教えてください。
1年前に物件は手放しました。自分の給料が思うように上がらなかったことと、それでも交際費が増えてしまい、毎月の支払いが困難になりました。入居者が退室した後の現状回復の費用であったり、毎年の税金もかなり負担になってしまいました。
物件は売却はしましたが、購入時の金額では売れず、またローンの元本をみても金利ばかり払っていて元本がほとんど減っていないことにもあとで分かりました。ですので、元本と差額になってしまった部分は新たにローンを組み直して今でも払い続けています。
ありがとうございます。お話しにくいこともあったと思います。
今お考えでいらっしゃることや、これから不動産投資を始めようと思われている方にもしお伝えできることがあればお願いします。
今考えていることですか、、ローンを完済することしか考えられません。しかもローンを完済しても何も手に入らないのでブラックにならないように返済をしているようなものです。
これから始めようと思われる方にお伝えすることは、当たり前なのですが最低限知識は持っていた方がいいです。特に自分が使える銀行やそれによって変わってくる金利のことなんかです。金利が高くても不動産会社から薦めてこられるような時は、一旦考えるのをストップしても良いかもしれません。給料が上がってからだと金利とかの条件もかわりますから。
それを知らず、不動産会社の方に薦められるがままに始めてしまったことにとても後悔しています。
今は年収が500万円以上あるっていうのが1つの基準にもなっているみたいなので、自分の給料がそれ以下でも不動産会社から薦められるようなときは注意したほうがいいのかな、と思います。
偉そうなことを言ってすみませんが、協会の方から今思ってることをざっくばらんに話して欲しいと言われたのでお伝えさせて頂きます。
ありがとうございました。
当協会としても、正しい取り組みということで発信させていただいておりますので、加瀬さんの言葉が、これから不動産投資を始めようとされている1人でも多くの皆様に届くことを願っております。
改めまして加瀬さん、ご出演頂きありがとうございました。
今回は不動産投資が当初の想定通りにいかずに投資を後悔されている加瀬さんにお話を聞きました。昇給を見込んでいたことや原状回復費用のような一時的なコストを見込んでおらず、月々の返済が負担になってしまったことがターニングポイントになってしまったと感じました。その意味で当協会では月々の返済額に影響の大きい金利の重要性を提唱しています。
これから不動産投資を検討される方々は輝かしい未来に目が行きがちですが、残念ながら失敗してしまったケースも頭に入れておくべきです。加瀬さんの経験がみなさんのお役に立てば幸いです。
後悔してしまった投資家がいる一方、良い結果が出ている方もいますのでそちらのインタビューも是非ご覧ください。